理事長/院長 松浦 浩
私は救急医療こそ医の原点であると考えます。
私が日本医科大学の脳神経外科で勤務していた頃、深夜に誰もが諦めるであろう状態の患者さんが救急救命センターへ運ばれてくることが多くありました。
一刻を争う状況の中、検査をしている時間もなく「命を繋ぎたい」とスタッフと共に壮絶で濃密な時間を過ごしました。
そのような患者さんが朝に意識を取り戻し、ご本人やご家族から感謝の言葉をいただくと、徹夜明けの疲れが癒され、命を守るという医師としての使命を果たすことができたと感じることができました。
しかしながら全ての命を救えるわけではありません。
その度に自分の無力さを感じ、熱意あるスタッフたちと議論を重ねて、少しでも次に繋がるよう努力を続けてまいりました。
また意識が戻ったら終わりではなく、そこから退院までフォローアップしなくてはなりません。
患者さんの命を繋ぐために最善の努力をし、患者さん中心のケアをする。
そうした医療を忘れずにこの地域の健康と安心をスタッフと共に築いていければと思います。